月の果て
〜キルトside〜寄り道禁止
────…暗い暗い部屋の中。
キルトは、電気さえ付けずに窓から覗く月を眺めていた。
“呪われし王子”
"今すぐ立ち退け"
"何もかも、お前の精だ───…っ!"
キルトの頭の中に残像が広がる。
心配そうに主人を見つめるライアンが寄り添う。
キルトは、無言で頭を撫でた。
何の音もしない室内にトントンとノックする音が広がった。
「キルト様、お呼びですか?」
「………入れ」
カチャッとドアが開きデカルトが現れた。