月の果て
────…そして、2人の足は薔薇園へと踏み入れられた。
「………わぁっ、凄い!ラクロアの花がこんなに───…」
エリスは、
琥珀色の瞳をキラキラと輝かせた。
「姫様に気に入られるなんて光栄です」
キルトは、そう言って優しく微笑んだ。
………ソフィも、
こんな顔して笑ってたな。
エリスにソフィの面影が重なる。
そんなエリスの無邪気な姿にキルトの頬も自然と緩んだ。
そしてエリスは、驚いたようにはたと止まってしまった。