月の果て


「本当に……!?」


エリスの表情は、綻んでキラキラと輝き始めた。





………なんか、ごめん。


キルトは、遠い目でエリスを見つめた。




そんなキルトにエリスは、優しく微笑みながら



「──…ねぇ、ラクロアの花言葉を知ってる?」

と訊ねた。




…………まさか、とは思うけど



「……知りません」

キルトは、きっぱりと言い切った。




「キルトってば、何も知らないのね」

エリスは、クスクスと可笑しそうに笑った。



デカルトからラクロアの花を貰いたいと言うんじゃ───…



そして、その縁の下の力持ちを俺にやれ………と?


そんなのまっぴら御免だからな。
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