月の果て


「ねぇ、キルト──…」



「何でしょうか?エリス様」




………そら、きた。



「私に、ラクロアの花を頂戴」




…………そ、っちかーっ!?


キルトは、その言葉にあまりの衝撃を受け黙り込んでしまった。



「ねぇ、いいでしょ?この前、言ったじゃない"好きだ"って───…」


………ごめんなさい。



本当は、知りません。




とにかく、この場ははぐらかしてしまおう。



「あれは───…」

とキルトが言い訳をしようと口を開いた時、
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