月の果て
────…キルトは、大きな扉の前に立っていた。
ソフィは、ここにいる!
そして、
バンッと勢いよく開く扉。
「……キルト」
ソフィは、その瞳を輝かせた。
────…いた。
キルトは、凄まじくシルベリアを睨み付け肩で息をしていた。
「父上、ソフィを返して下さい」
シルベリアは、にっこりと微笑んで
「随分、久しぶりだね」
と言った。
………久しぶり、
なんてものじゃない。
父上──…
「………っ!こっちだ、ソフィ」
と表情を歪ませたキルトは、強引にソフィの肩を寄せて抱き締めるようにしシルベリアを睨み付けた。
───…俺から自由を奪っても、
ソフィを奪う事を許しはしない。