月の果て
エリスは、その言葉に泣き出してしまった。
"げっ、逃げよう"
とエリスを泣かせた少年の手を引く子供。
少年も仕方なく逃げ出した。
"エリス様…"
とキルトは、哀しそうにエリスに触れた。
"ごめんなさい、俺の精で──…"
エリスは、ただ泣くばかり。
"もう、二度と。貴方を誰にも、泣かさせたりしません。だから──…泣き止んで下さい"
キルトが哀しく優しい声でそう言うと
"本当?"
とエリスは、顔を上げた。