月の果て


エリスは、その言葉に泣き出してしまった。




"げっ、逃げよう"

とエリスを泣かせた少年の手を引く子供。


少年も仕方なく逃げ出した。





"エリス様…"

とキルトは、哀しそうにエリスに触れた。




"ごめんなさい、俺の精で──…"



エリスは、ただ泣くばかり。





"もう、二度と。貴方を誰にも、泣かさせたりしません。だから──…泣き止んで下さい"



キルトが哀しく優しい声でそう言うと



"本当?"

とエリスは、顔を上げた。
< 276 / 482 >

この作品をシェア

pagetop