月の果て
「離して」
ソフィは、そう言ってキルトを突き放した。
──────…!?
ソフィの何の前触れもない行動にキルトとシルベリアは、目を見張った。
「もう、嫌よ……」
ソフィは、翡翠色の瞳から大粒の涙を流しながらポツリとそう言った。
………え゛?
「この国に来てから、キルトに振り回されてばかりなのに疲れたわっ!」
2人は、キョトンとしてソフィを見つめるばかり..
…………は?
ちょ..
「キルトが……キルトが、エリスという方の名前を呼ぶのはもう..聞きたくないわ!」
嗚咽を漏らしながらソフィは、耳を塞いで半ば泣き叫ぶようにして言った。