月の果て
「……余計なお世話です、父上」
キルトは、少し照れながら言った。
「それにしても。お前が、こんなに強引な事をするとは思わなかったよ…」
シルベリアは、そう言って優しい笑みをキルトに向けた。
キルトの脳内で
フラッシュバックが起こった──…
"キルト、"
いつもの優しい父上が、
"はい、父上"
いつものように返事する俺を──…
"お前を..幽閉する────…"
突き放した..あの日──…
「………」
キルトは、黙り込んでしまった。
「すまない、時間をとらせてしまったな。…さぁ、行っておやり。あの姫の元へ」
シルベリアは、ははっと笑いキルトを見送った。