月の果て
「痛っ、痛いわ…何て事をするの!?」
ソフィは、キルトを見上げて睨み付けた。
────…想い出して、
思い出さないで──────…
キルトは、そんなソフィにただ微笑むだけだった。
「ソフィは、何も知らなくていいよ」
矛と盾..
矛盾した想いが交差して──…
─────…ザァッ
2人の間に一陣の風が吹いた。
ねじれの位置が歪曲を奏でる──…
「本当に……何も」
キルトのソフィを抱き締める手に力が入った。
"─────…魔物っ!!"
キルトの脳内で誰かが叫んだ。