月の果て


「だから、一週間後なら婚礼を挙げてもいいんじゃないかしら?」

ソフィは、少し照れたように言った。


───…そう、




「国民も……きっと祝福をしてくれるわ」


ソフィは、そう言って優しく微笑んだ。





予想外の事を───…



キルトは、その言葉に暗く影を落としながら微笑んだ。




ソフィ、それは


有り得ない、理想の話──…




ごめん。


祝福なんてしてくれる国民なんて、




存在しないんだ。
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