月の果て
〜ソフィside〜砂糖の記憶
──…次の日の朝。
目の前に次々と運ばれるラクロアの花にソフィは唖然としていた。
「ちょっと」
と堪えきれずメイドの一人を呼び止めた。
「いかがなさいました?」
メイドはラクロアの花を持ったまま振り返った。
「こんなに大量のラクロアをどこから運んできたのかしら?スクルジアにはラクロアが咲かない筈よ」
というソフィの問い掛けに
メイドは、ふふっと笑って
「極秘秘密だそうですよ」
と早々と去ってしまった。