月の果て
〜キルトside〜人魚の幻想
───…それは、ソフィがスクルジア王国を出た頃だった。
「……ソフィに逢いたい」
キルトは、ベッドの上に転がっていた。
「結婚式でお会い出来るではありませんか」
デカルトは、呆れたように溜め息をついた。
キルトは、一瞬だけちらりとデカルトに視線を這わした。
そして、
ゴロリと転がって窓に視線を移してから
「……今、逢いたい」
とポツリと呟いた。
デカルトは、そんなキルトにふっと微笑んだ。