月の果て
「それは、とても興味があるな」
突然現れた人物、シルベリアは愉快そうにははっと笑った。
「父上…」
キルトは、驚いたようにポツリとつぶやいた。
「キルト、花嫁に逢えるのは楽しみか?」
シルベリアは、優しく訊ねた。
キルトは、
「父上!どういうおつもりですか!?」
とシルベリアに詰め寄った。
「結婚式を国民の前で開くなど…そんな事をしたら..!」
"──…魔物。"
「────…っ!」
キルトは、苦しそうに表情を歪めた。