月の果て


「……?何故だ、人前で開くのが嫌なのか?……情けない」


シルベリアは、きょとんとしてから呆れたように溜め息をついた。




「なっ!?そういう意味ではありませんっ」

キルトは、少し赤くなって反論した。



それから、



「……俺は、魔物です」


キルトは、影を落として拳を握った。





「幽閉を勝手に解いたと知ってしまったら、国民は激怒して反乱を起こします」



「───…そう、ならないためには..」




国民の怒りを沈めるために──…



もう一度、

俺があの城に籠もる─…
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