月の果て


「……そう言っていたよ」


シルベリアは、哀しそうに微笑んだ。





「……だから、お前は魔物なんかじゃないんだよ」




キルトは、その言葉に反応してシルベリアをまっすぐと見た。




そんなキルトに


「もう苦しまなくてもいい、私は。今度こそ本当にお前の幸せを護るよ……」



シルベリアは、優しく微笑んでいた。




────…父上、



「しかし、国民は俺に罪があると─…」




「違う」

シルベリアは、はっきりと言い切った。
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