月の果て


年老いた男は、


「う゛……」

と言葉を詰まらせた。




「お願い……、助けると思って..」


少女は、両手を組んでキラキラと瞳を潤ませながら年老いた男にすがった。





そんな少女に、男は



「うそつけ!お前に弟がいるなんて話訊いた事がないぞ!」


と林檎を奪ってしまった。




─────…失敗か、



「……ちっ」

少女は、小さく舌打ちをした。
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