月の果て


「ありがとう、果物屋さんっ!」


ミルーラは、表情を綻ぼさせた。





「じゃあ、まずは風呂に入りな」


奥さんは、そう言ってミルーラの背を店内へと押し出した。




「……へ?いいの」


ミルーラは、きょとんとした。




「ミルーラは、もうウチの従業員だからね」


「果物屋さん…」




なんて、いい人っ!!


果物屋さんがこんな人だなんて、

知らなかった──…





「───…ところで、」
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