月の果て
〜ソフィside〜高雅な恋心
────…ナタナエル城の前。
「──…どうぞ、姫様」
スワローズが馬車の扉を開く。
………なんてこと、
ソフィは、一向に馬車から降りる気配を見せない。
「……?ソフィ様、」
不審に思ったスワローズが、馬車を覗くと
そこには、真っ青になってガクガクと震えているソフィがいた。
「いかがなさいました?」
スワローズは、不思議そうにソフィを見つめた。
いかがなさいました?じゃない…っ!!
どうしましょう..
あの門の向こうにキルトがいて、
これから結婚式だと思うだけで…
足がすくんで、
動けないわ…………っ!!