月の果て


ソフィは、ベッドの上に転がって

天井を眺めていた。



"明日、迎えの馬車をよこすそうだ。お前に一目会いたいと…"


お父様は、そう言った。

私は、



………………逃げます。





ソフィは、勢いよくベッドから起き上がり寝間着の上にあまり目立たないマントを羽織り窓から器用に木を伝って降りた。



ごめんなさい。


私、どうしても夢の中の人に逢いたいの─…



今夜、だけでもいい。


私が、他の誰かのモノになる前に─…
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