月の果て
〜ソフィside〜盾と矛の護
───…ちょうど、その時。
ドッ……
ただならぬ空気が淀む中、
重い音が響いた。
「王子……っ!!」
デカルトは、青ざめて駆け寄ろうとする。
「………かはっ」
と青々しい芝生の上にドバッと広がったのは、赤い染み──…
かろうじて立っているキルトは、飛んできた矢を引き抜き、腹から血が溢れ出すのにも構わず目の前の敵を切り裂いた。
しかし、
無常にもたくさんの矢が
キルトを狙って飛んできた──…