月の果て
「───…ライアン、少し休まない?」
ソフィは、すでに息を切らせていた。
「……ガォ?」
少し離れたところにいるライアンは、その声に振り向いた。
辺りには大草原が広がっている。
───…お、思ったよりもかなり
広いわ、ナタナエル…
ソフィは、ふぅと溜め息をついた。
「………ガォ」
ライアンは、ピクピクと耳を尖らせるとタッと走り出した。
「ちょ、ちょっとライアン!?本当に少ししか休んでいないわっ」
ソフィもそう言いながら急いでライアンの後を追い掛けた。