月の果て


「ばっ、馬鹿っ」


キルトは、バッと右目を隠した。




「色が見えないと見えるものも見えないでしょう!?どっちが馬鹿なのよ」


ソフィは、腰に手を当ててキルトを叱りつけた。




「色が無い世界にも慣れた!だから、もう眼帯つけた生活が自然なんだ。返せ」


キルトは、
そう言うとズイッと左手を出した。




「嫌よ、いつまで眼帯をして瞳を隠しているつもり?何が、迫害よ。ふさけないで欲しいわ!普通の人間のくせに!!」



「なっ!?俺は、魔物だ。こういう運命……」





「たいそうな運命ですこと!キルトの何処が魔物なの?瞳の色が違うだけじゃない!……そこの貴方!」


とソフィは、
ビシッと敵の兵士を指差した。




兵士は、「え?」と冷や汗をかいている。
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