月の果て
「キルト」
シルベリアは、キルトに向き直ると
「今からお前が私の後継者だ」
と言った。
………そ、そんな馬鹿な。
ソフィは、あんぐりと口を開いた。
「父上、そんな…」
キルトに至っては、無謀だと言いたそうな表情をしていた。
「……仕方ないだろう、」
シルベリアは、怒る気力もないように重く溜め息をついた。
「ジェオルドが、頑固な事はお前も知っているだろう?」
キルトは、
「確かに..」
とシルベリアと
同じように溜め息をついた。