月の果て
〜キルトside〜朧月の記憶
あの女の子と出逢ったのは、
満月が綺麗な夜だった。
あの時の俺は、まだ幽閉されてなくてナタナエル城にいた。
ちゃんとした王子だった。
その日は、ソフィの誕生日パーティーがあったんだ。
だから、俺は父上と一緒に誕生祭に参加する事になった。
ソフィとは、その前までにも逢った事が無かったし興味さえなかった。
その時の俺は正直、兄上やに父上の弟の心無い言葉に絶望して心がくすんでいた。
そんな時に出逢ったのが、ソフィ。
君だった───…