月の果て


その時、周りの空気も


微笑んだ気がして..




俺もすごく自然に笑えたんだ──…。




「あなたは、だぁれ?」


少女は、可愛く首を傾げて訊ねた。





「俺は、キルト」


「……キルト、」




少女は、驚いたように呟くと


すぐに顔を綻ばせて




「それって、すごくすてきな名前─…っ」


とはにかんだ。
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