月の果て


「──…ソフィ、いい名前だね」


キルトは、ふっと微笑んだ。




「ありがとう」


ソフィは、フワリと微笑んでから




「泣いてたの?」


とキルトの涙のあとを拭った。




───…ドキンッ



心臓を握られたのかと思う程、



心が痛んだ──…






「違う」


キルトは、暗く影を落として言った。
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