月の果て


「違うよ…」





「────…ほら、」



とすっとソフィが伸ばした指は、


優しくキルトの頬に触れ




その涙を拭った──…。





「また、泣いちゃった」


ソフィは、無邪気に微笑んだ。





───…泣いてなんていない。


そう、言おうと思うのに──…




言葉になんてならなくて、






喉につまった言葉は、



涙と一緒に流れていった──…
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