月の果て
「だって、勝手に出て来ちゃったらきっと父上が困る」
と怯えるように
表情をひきつらせるキルト。
そんなキルトに
「そんなのあとで考えればいいじゃない」
と無邪気な笑顔で応えるソフィ。
そして、
「ほら、行こう?」
とキルトの手を引いた。
────…なんて、
自由なんだろう─…
この子の周りは、とても温かい。
空気が笑ってる──…
キルトも微か微笑み
「うん」
と答えてようやく歩を進めた──…