月の果て


キルトは、その満月に見とれてしまった。



「キルト、私」



「ここから見る月が好きなの────…」


ソフィは、バッと大きく両手を広げると後ろにバッタリと倒れた。


そんなソフィを青々とした
芝生が受け止めた。





「…私がね、ひとりぼっちの時もひとりじゃないよって。お月様がね、教えてくれてる気がするの」


とソフィは、優しく嬉しそうに微笑んだ。





───…ひとりぼっち、じゃない。



お月様が、傍にいてくれる──…




「だから、私。お月様が大好きなんだ」


とソフィは、無邪気に笑った。
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