月の果て
「ねぇ、キルトはどうして目を隠しているの?」
ソフィは、不思議そうにキルトの眼帯を見つめた。
「………、」
キルトは、黙り込んで眼帯を抑えた。
"魔物が母上の傍にいるなんて、間違ってる───…!あっちへ行け"
先ほどの兄上の言葉が蘇る──…
「………?どうして隠すの?」
ソフィは、むくりと起き上がり不思議そうにキルトの表情を覗き込んだ。
「だって、これは魔物の証だから…」
と哀しそうに瞳を歪めるキルト。
「ふーん…」
ソフィは、興味津々に見つめると
「えいっ」
バッと眼帯を奪ってしまった。
「あっ…!」