月の果て
カチャッとドアが開く。
マントを被っていてよく分からないが
体格からしてそれは女らしい..
「誰?」
キルトは、訝しげにそれを見つめながら声を掛けた。
「きゃっ!?」
少女は、驚いて後ろを振り返る。
その時、マントが翻って美しい栗色の髪が波打って現れた。
驚いた────…
あの子じゃないか──…
じっと2人は、見つめ合っていた。
………いや、
あの子が来る筈がない...
それは、おかしい。
だって明日は────…
「誰?」
キルトは、念のためにもう一度訊ねた。
その言葉に少女は、はっとして
「ごめんなさい!私、ソフィ。アナタは?」
と言った。
……………まさか、
こんな事って─────…
「キルト」
キルトは、ソフィをじっと金色の瞳で見つめた。