月の果て


綺麗だと言ってくれる君に───…



「ところで、ソフィはどうして此処にやって来たの?」


「聞いてくれる!?」

ソフィは、そう言ってキルトに身を乗り出した。



「私、逢った事もない人と結婚しなきゃいけないのよ!政略結婚なんて、嫌…」

ソフィは、語尾にそう呟いて長い睫毛を伏せた。



永遠の愛を誓う────…




そんな俺に、


「……へぇ」

キルトは、金色の瞳を歪ませて月をじっと見つめた。




気づいて──────…
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