月の果て
「あいつ……とは?」
とデカルトは、不思議そうにキルトを見た。
あの子...
俺のこの呪われた目を
綺麗だと言ってくれたあの子────…
なのに、
あの子は───…
「……頼むよ。デカルトにしか頼めない」
とキルトは、金色の瞳を歪ませて今にも泣きそうな顔をしてデカルトを見た。
俺を、知らない────…
デカルトは、久々に見せるキルトの表情に一瞬だけ驚いたような表情をしたが
すぐに優しく微笑んで
「………全く、仕方ないですね」
と言った。