月の果て


「あいつ……とは?」

とデカルトは、不思議そうにキルトを見た。



あの子...


俺のこの呪われた目を

綺麗だと言ってくれたあの子────…



なのに、



あの子は───…



「……頼むよ。デカルトにしか頼めない」

とキルトは、金色の瞳を歪ませて今にも泣きそうな顔をしてデカルトを見た。



俺を、知らない────…



デカルトは、久々に見せるキルトの表情に一瞬だけ驚いたような表情をしたが

すぐに優しく微笑んで



「………全く、仕方ないですね」

と言った。
< 93 / 482 >

この作品をシェア

pagetop