月の果て
──────ガシャーン…ッ!!
黒髪の少年は、柵のある壁へと突き飛ばされた。
「何度言えば分かるんだ!」
50を過ぎたであろう白髪を生やした男は少年を指差しまくし立てた。
少年は、黙ってただ口元から流れる血を拭った。
───────…うるさい。
たかだかスープを零したくらいでなんだってんだよ…
ウザいんだよ、腐れジジイ..
少年、否。デカルトは、目の前の男を睨みつけた。
それを見た男は、顔を真っ赤にして更にヒートアップした。
…………あぁ、また始まった。
「全く!一体誰が─…」
デカルトは、分からないように溜め息をついた。
どうせ、いつもの事
もう暫く黙っていればすぐ終わる─…
「捨て子のお前を──…」
その言葉にデカルトは、大きく目を見開いた。