純恋
この2人きりの空間を
いつまでも保てていけたらいいな。
それだけでいいやって思う。
「教えてやろうか?理由。」
口角をあげて、巧みに私を誘う。
「うん。」
そして、私は
その誘いにいつも負けちゃう。
「んーじゃぁ、卒業式の日が来たら教えてやるよ。」
頬杖をついて、カミングアウト。
「…え。卒業式ってまだ先じゃん。」
卒業式ってのは
もう進路も決まっていて
お別れしなといけない人も把握できて
悲しいだけの卒業式なのに…。
なんで、卒業式なんだろう。
「いーから。先まで待ってて。納得できる理由だから。」
な?
って、
有無を言わせないキラキラした笑顔。
そんなに大事なことなんだろうか。
なんか………
……そう思ったら
卒業式が
ある意味待ち遠しく
感じられた。
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