純恋





「!!」





驚いて目元に手を当てると、





ほのかに暖かい手が、置かれていた。






「きょーんっ!だぁれだっ!」







同時に、元気すぎる声が



頭上から聞こえてくる。







『きょん』て。






1人しかそんな呼ばないから……




相手が分かると


急にドキドキし始めて、



重ねていた自分の手が、震えだした。




止めようとしても、

なかなか止まらないもので…。





震えてるの、バレたくないから

ゆっくり

顔を上げた。


スッと手を離す。







すると




目元が明るくなり、


上から見下ろしている


雅人の顔と対面した。








.
< 26 / 104 >

この作品をシェア

pagetop