純恋
「!!」
驚いて目元に手を当てると、
ほのかに暖かい手が、置かれていた。
「きょーんっ!だぁれだっ!」
同時に、元気すぎる声が
頭上から聞こえてくる。
『きょん』て。
1人しかそんな呼ばないから……
相手が分かると
急にドキドキし始めて、
重ねていた自分の手が、震えだした。
止めようとしても、
なかなか止まらないもので…。
震えてるの、バレたくないから
ゆっくり
顔を上げた。
スッと手を離す。
すると
目元が明るくなり、
上から見下ろしている
雅人の顔と対面した。
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