純恋



冗談かなって思うのも無理はないし。




と、





偶然、雅人と目があった。



目を見開くと、

男子の中にいるのにもかかわらず

私に向かって、小指をたてて







━━━ヤ・ク・ソ・ク









口ぱくで伝えてきた。




今回も冗談……






………━じゃなかった。



本気なんだ。




今回は。






へぇ………そうなんだ。





━━━約束




放課後残らなくちゃ。




約束、守らなくちゃ。








ヤ・ク・ソ・ク━━━か。



嬉々がこみ上がってきた。




だから、

私も雅人に向かって小指をたてて






『うん!』



大きくうなずいた。









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