純恋

「お！おばかちんっ？」



雅人の頭をぐしゃぐしゃにしている姿は


なんか恥ずかしそうにしてるみたいだった。





……私のためにとってきたチャリンコ。





「ほら。後ろ乗れよ。」



後ろの座席をあごで指して

私を誘導した。





「……え？」




予想外のことで

頭が混乱する。





━━━２ケツ？




………━━え？




いいの？





「こらっ！とろきょん！急げよ。時間なくなるっての。」



「あ、あぁ。はいっ！」




我に返って

なるべく早く自転車の後ろに腰かけた。





「よっしゃ！気を取り直して、レッツゴー!!」





勢いをつけて

右足でペダルを踏み出した。







目の前には雅人の背中がすぐそこにあった。








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