純恋












私は


しばらくぼーっとしていた。








「じゃ、俺行くわ。怒らせたら恐ぇんだよ。担任。」






俺だけ態度でかくしやがって



そうぼやき、失笑しながら

私の目の前から立ち去っていく雅人。






「うん。じゃぁね。」







また背中を見つめてしまっていた。














━━━━━━何、私、

期待して聞いちゃったんだろう。







『大学行くの?』







バカだな








本当にバカ………。




でも願ってしまったんだもん。
もしかしてって

期待しちゃったんだもん。






雅人も大学行くかもしれないって。



雅人と離れたくないって

願ってしまっていた。








でも現実は、厳しいんだね。




親の期待

先生の期待

しかも行きますって

先生いっちゃったし………。






でも雅人と━━━…。








.
< 70 / 104 >

この作品をシェア

pagetop