何処にでもあるラブストーリー
「新潟から出てきて、本社で働き出すまで、代休消化できるの今しかないだろうから、買い物とか済ませておかないとね、準備期間って感じかな・・・ほんとは誰かさんに付き合ってもらう予定だったんだけどね。」

奈緒子は視線を逸らし、すっと窓の外を見た。 

「買い物は済んだの?」奈緒子が僕に尋ねた。

「まあね」僕は答える。

「家も成増で、会社が池袋だったら、近くていいわね。」

「そうだね」

奈緒子ともっと話を続けたいけど、上手く会話が続けられない自分がもどかしく思えた。 以前はこんなこと無かったのに・・・。

「この前はごめんなさい。 急にあんな話して・・・」奈緒子がテーブルの下の両手をひざの上に揃えて、こう言った。
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