何処にでもあるラブストーリー
通勤前の忙しい朝には、僕のその小さな願望に答えられない。 

焼いたパンは牛乳を飲みながら食べる。 昨日、半分食べたグレープフルーツを食べる。 子供の頃は、グレープフルーツに砂糖をたっぷり塗って食べたものだが、さすがにそんな食べ方はしない。 

僕は、朝のニュースをぼんやり眺め、東京の天気だけなんとか把握する。 
7時を過ぎたので、僕は、スーツに着替え家を出る。 

マンションの手前で、管理人のじいさんにすれ違い、軽く挨拶をする。 管理人は、いつも、いかなる時もラジオを聴いているので、反応が遅い。
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