何処にでもあるラブストーリー
「朝まで一緒に起きてようね」と約束した友人も言ったそばから寝てしまい、最後まで眠れないのが、僕の役割だった。 
修学旅行は怖い話を必ずする。 もっともその時、張り切って怪談をするのも僕の役割だったが・・・そんなことを思い出すとまた、怖くて余計に安心でゆとりある睡眠から遠ざかってしまう。
 
とにかく、みんな寝てしまい、僕だけが眠れない。 僕だけがみんなに遅れてしまうのだ。 
 この孤独感に今の僕は似ていた。 そんな中、僕の親友と呼べる山崎は、結婚を決め、その日、僕の名前「館崎 建司」とかかれた札が、結婚式場の友人席の白いテーブルに置かれていた。 
 
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