何処にでもあるラブストーリー
 樹々の住人である小鳥たちは、人間たちよりずっと朝早く目覚め、
思い思いの歌声で唄い、それぞれが与えられた彼らの生命を維持する為の
活動を行っていた。 僕は、車を下り、煙草を一本吸った。 
天気が良くてよかった。 程なくして、奈緒子の姿が見えた。 
奈緒子は黒いジーンズを履き、白っぽいシャツを着ていた。 

濃いブルーのカーディガンを着ないで腰に巻いていた。 

「お待たせしました。 館崎さん、待たせちゃってすいません」
奈緒子が軽く頭を下げて僕の顔を見ながら謝った。

「そんな待ってないよ。 それより、そのシャツ、カッコイイね。 それ、この前、
 僕がプレゼントしたやつ?」
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