何処にでもあるラブストーリー
「新大阪駅の一見、只の居酒屋なんですけど、そのたこ焼きがおいしいのなんの、
地元の名店ですよ。 ほんとにおいしかったなぁ、表面はさくさくしてて、中は凄い
ふわっとしてるんですよ。」奈緒子が目をきらきらさせて話している。 

僕は「ふうん」と答えた。 

「それで何? そのたこ焼きを俺に食わせたいって事を、奈緒子さんはおっしゃりたい?」
 
奈緒子は少し考えて答えた。「いや、違います。 楽しかった家族との美しい思い出に浸っているだけで、そういうことは考えていません。」

「あーそう、なるほど、そういうことか、僕、勘違いしちゃったよ。」
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