何処にでもあるラブストーリー
道先を表示する看板を頼りに、僕らは目的地についた。 そこは山の中に立てられた余り大きくない木造平屋の温泉だった。 駐車している車の数は余り多くなかったので、僕のテンションはちょっと上がった。
 いい温泉でも混んでいる温泉はいやなものだ。 

「ここら辺の温泉は実は温泉じゃなくて鉱泉なんですよ」出し抜けに菜緒子がしゃべり始めた。

「なんだそりゃ、温泉とどう違うんだ?」僕は菜緒子に聞き返した。 
菜緒子は、続けた。
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