何処にでもあるラブストーリー
代わりに僕らはソフトクリームを食べることにした。 廊下で食券を買い、僕は抹茶、奈緒子は、かなり迷ってミックスを注文した。 昔から、バニラとチョコレートが選べず、ミックスを注文するのだと言った。 どっちかにした方が、おいしいのはわかってるんだけど、どっちも選べず、結果、ミックスのソフトクリームを注文してしまうのだそうだ。 

「まあ、ミックスも捨てたもんじゃないよ。 2種類楽しめるし・・・だけどまあ、俺の選んだ抹茶の旨さには遠く及ばないけどね。」と僕が言うと、奈緒子は僕が抹茶のソフトクリームを持っている右手をぐいっと掴んで、僕の抹茶にコーンのあたりから噛みついた。

奈緒子は鼻についた抹茶を指で拭きながら、まあまあね。 と感想を付け加えた。
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