何処にでもあるラブストーリー
「大丈夫、全然、待ってないよ さあ、行こうか」待ち合わせの人たちが多くいるこの場所を早く、離れたいといういう意識が僕にはあった。 

会社の女の子と待ち合わせ・・・会社の人に見つかったら、いろいろ面倒くさいものな・・・そんな意識が僕に働いていたからだった。 

僕らは、ドコモの新しいCFの話をしながら、明治通りを新宿方向に歩き、池袋東口の横断歩道を渡った。 

日も暮れかけた池袋の街は、仕事を終え、帰宅するサラリーマンやOL、飲み屋の客引き、ビラ配りの店員なんかで溢れていた。
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