海があるかぎり
第一章
「ねぇ、あたし、このままじゃ嫌だよ絶対!」
また史子の口癖が始まった。
「あのさ、また無駄口たたくとウザ店長におこられるし…」
葉子は史子を見ることもなくそう言った。
私はただ笑って…二人を見ていた。
三列に並ぶレジ…
客もまばらな午後2時…
レジ台を意味もなく拭きながら、私は先週の日曜の事をそっと思い出していた。
史子と葉子と私は同じスーパーのレジ係。時給850円のパートタイマー。
さほど歳が違わず、勤務時間も大体同じ。
そうそ、いわゆるアラフォー?
家庭環境も家の経済状態も何となく似ている。
三人ともそこそこの大学をでたのだが、結婚や出産を機に家庭に入り…結局、子どもの学費の足しにとパートに出た…よくあるタイプの人たち。
史子は愚痴り屋タイプ、葉子は冷ややかな冷め子、私は呑気でおめでたい…
バラバラなキャラなのになぜか気が合う…不思議な3人トリオだ。
バブリーな時代を女子大生として過ごした私たちは、そこそこおしゃれや世間の波は知りたい、知ってたい派?だけど…
人生でこれ!っていう押しがない。
「あのまま仕事続けてたら私だって今頃バリバリやってたはずだよね!」
これまた史子の口癖だけど、そんな甘かっただろうか…
「でた、バブリー人のベタ台詞…」といつも葉子は苦笑する。
そこそこに勉強も、遊びも、恋もスポーツもやってきた私たち…。
でも、人生の折り返し地点と言われるこの時…
心と体に強い刺激と喜びを持ちたい…正々堂々と。
言葉には出さなくても、そんな思いが溢れそうだった。
史子は絵に描いたような嫁姑問題を抱えている…さっきの愚痴もそんなところからだろう。
「あのさ、私先週の日曜…海に行ったのよ。」
「えー全然聞いてなかったよ。」
史子は体をこちらに向けて興味ありげに言う。
「なんで海なの?三和一人で?」
葉子も意外な口調で言う。
「お茶の時間話すからさ…もう少し頑張ろ。」
史子も葉子もいつになくにっこり笑った。
また史子の口癖が始まった。
「あのさ、また無駄口たたくとウザ店長におこられるし…」
葉子は史子を見ることもなくそう言った。
私はただ笑って…二人を見ていた。
三列に並ぶレジ…
客もまばらな午後2時…
レジ台を意味もなく拭きながら、私は先週の日曜の事をそっと思い出していた。
史子と葉子と私は同じスーパーのレジ係。時給850円のパートタイマー。
さほど歳が違わず、勤務時間も大体同じ。
そうそ、いわゆるアラフォー?
家庭環境も家の経済状態も何となく似ている。
三人ともそこそこの大学をでたのだが、結婚や出産を機に家庭に入り…結局、子どもの学費の足しにとパートに出た…よくあるタイプの人たち。
史子は愚痴り屋タイプ、葉子は冷ややかな冷め子、私は呑気でおめでたい…
バラバラなキャラなのになぜか気が合う…不思議な3人トリオだ。
バブリーな時代を女子大生として過ごした私たちは、そこそこおしゃれや世間の波は知りたい、知ってたい派?だけど…
人生でこれ!っていう押しがない。
「あのまま仕事続けてたら私だって今頃バリバリやってたはずだよね!」
これまた史子の口癖だけど、そんな甘かっただろうか…
「でた、バブリー人のベタ台詞…」といつも葉子は苦笑する。
そこそこに勉強も、遊びも、恋もスポーツもやってきた私たち…。
でも、人生の折り返し地点と言われるこの時…
心と体に強い刺激と喜びを持ちたい…正々堂々と。
言葉には出さなくても、そんな思いが溢れそうだった。
史子は絵に描いたような嫁姑問題を抱えている…さっきの愚痴もそんなところからだろう。
「あのさ、私先週の日曜…海に行ったのよ。」
「えー全然聞いてなかったよ。」
史子は体をこちらに向けて興味ありげに言う。
「なんで海なの?三和一人で?」
葉子も意外な口調で言う。
「お茶の時間話すからさ…もう少し頑張ろ。」
史子も葉子もいつになくにっこり笑った。