海があるかぎり
お茶…といってもカフェに行く訳ではない。


私たちが働くこの中規模スーパーのイートインカフェで、180円のコーヒーを飲みながらおしゃべりするのだ。


「なんで急に海なんかに行ったのよ。」

史子がフライドポテトを食べながら聞いた。


「うーん、なんとなく…昔を思い出して、行けるかな…と思って…たどり着かなきゃそれはそれでいいかと思ってさ…電車に乗ったの…そしたらさ…」


「そしたら?」

史子が大きな声を出した。

「気付いたらサーフィンしてたのよ私…」

「はあ?」

二人はこれまたとてつもない声を出した。

「うん、いや、正確にはね…ボディボードっていうの…ほら、ビート板の大きいやつよ…」



私は高校時代…サーファーの彼氏と付き合った事があった…
初めて勉強が手につかないほど好きになった彼だった。初めて親に嘘ついて外泊した。

そんな彼が夢中になっていたのが波乗り、サーフィンだった。



私は泳ぐことや海水浴は大好きだったが、サーフィンはしなかった。

お金もかかったし、何より波乗りしてる彼を見るのが大好きだった。
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