海があるかぎり
そんな昔を思い出しながら一人で海を眺めていた。



まだ夏の陽射しと、国道から吹いてくる熱風が足だけでも海水に浸かってみたいと思わせた。



彼だってきっともういい歳だろうな…40になったかな…まだかな…

いくつ年上だったっけ…?
よくケンカしたな…(笑)
覚えてるのはそんな事くらい…

過去の恋愛は忘れてしまう…そんなあっさりタイプの私だ。



少し大きい波があがり、一人のサーファーが波に乗ってこっちへ向かってきた。


カッコいい~

乗ってるときは何を考えてるんだろう…


そう思った途端、波打ち際に強い波しぶきがあがり、下がろうとした私はよろめいて尻餅をついてしまった。



ひゃーあたたた…やだ!


Gパンはびしょ濡れ…

恥かしい…


回りを見渡しながらそそくさと立ち上がる。


タオルの入ったカバンのところに戻ろうとすると…



「大丈夫ですかあ~」


振り向くと、さっきのサーファーがボードを抱えてこっちへ向かってきた。


「あ、全然大丈夫です」

照れ笑いしながら私は答えた。




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